『プレカット』という言葉、ご存知でしょうか。
構造材になる材木を山から切り出して製材したものを工場に運び、
柱や梁などを組み立てるために必要な、ホゾや穴をあけることを言います。

プレ=事前に  カット=(木を)きざむ ということですね。

従来はどうだったかと言いますと・・・
製材が大工さんの下小屋に運ばれ、そこで大工さんみずからが
ホゾや穴を開けるという、手きざみでした。
この作業のために、大工さんは2週間くらい小屋にこもりっきりで加工作業。

その時間と手間を省くために、量産できるように、と
工場でプレカットがされるのが当たり前になってきました。

しかしながら・・手きざみにこだわる工務店や設計者もいます。
材木の癖をみながら、臨機応変に適材適所で加工するのだから・・と。

正直、私はどちらとも言えません・・・工務店さん任せ・・。

というのも、コスト的にはプレカットの方が安価ですので。
何が一番高いかといえば、人件費。
それが圧倒的にかからないのがプレカット。ほぼオートメーションですから。
強度が同じなら、やはりコストの安い方を選ぶことになります。

精度と言う面ではどうなのでしょうか・・。
宮大工のような腕の良い大工さんが刻むならともかく、
精度的にもプレカットの方が高い、という意見もあり・・。

プレカットか?手刻みか?という議論の前に、
使用する木材の質の方が重要なのでは??
というわけで、プレカット前の製材の質を確認するために工場に行ってきました↓

 alt=""title=""

すでに使用する製材が仕分けされており、柱、梁、土台等の目視確認ができました。
節も少なく、なかなか良い状態です。これから、加工に入ります。

プレカットがますます隆盛になると、手刻みのできる大工さんがいなくなり・・
職人の技術が伝承できない・・というジレンマはありますね。
現場で、手刻みがゼロということはありえないので。
合理化と技術の継承・・なかなか難しい問題ではあります。

メールマガジン第45号配信中
『家づくりのイロハ』の『ヨ』 浴室の話