こんにちは。またまたアップが遅くなりました。

今日は、『色を決める』をテーマにお話します。
内外問わず、すべての材料には、当然のことながら色がついています。
その色をどれにするか?その最終決定は、工事の進捗状況を見ながら徐々に決めていきます↓

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つまり、設計打ち合わせの際には、細部の色までは決まっていないことが多いのです。
いわゆる仕様(しよう)と言われる、材料の質や価格などは決め(工事金額に直結するため)、
もちろんある程度、色のイメージは打ち合わせ時に共有するのですが、
我々プロの設計者であっても、最終の微妙な色を打ち合わせ段階で決めるのは難しいのです。
それを、素人の建て主さんに打ち合わせの時にイメージしろ、と言っても無理な話しで・・・
ということで、工事の途中途中で、建て主さんに現場に来ていただき、細部の色を決めるというわけです。

今回の現場は、店舗(喫茶店)併用住宅。
外観に関しては、とにかくキュービックな四角い形、色はカッコイイ金属の黒で!
とお客さまの要望がはっきりしていましたので、デザインはすべてそこからスタート。

真っ黒の外壁も良いですが、一部、あたたかみのあるベージュの塗り壁をコントラストで入れましょう!とご提案、その塗り壁の色を最終決定しました。しかしながら、一口にベージュと言ってもその色はさまざまです。ですから、色見本を用意し、現場で実際に黒の壁に当ててみて微妙な色調を決めることになります。

5色用意した見本から、難なく1色が決まりました♪
かなり内部もできて来ているので、内部の壁紙の色や便器の色、ドアの色・・とすべて一斉に決めます。
この一斉に決める、ということが大変重要です。
バラバラと決めていきますと、結果、ちぐはぐになってしまうので。

今回は喫茶店の大テーブルに使う椅子を黄緑色に、と最初に決まりましたので
そこから壁紙やカウンターの色、トイレの手洗いボウルの色・・・と波及的に決めていきます。
椅子の色に合わせて何点か壁紙をチョイスしてご提案。

ちょっと、色の濃さがお気に召さなかったようで・・「この中間くらいの色はないの?」ということで
再度、別のサンプルをご用意することをお約束して帰途につきました。

壁紙の色決め、建て主さんが一番参加できるところでとっても楽しい作業なのですが、
業者さんによっては、分厚い壁紙のサンプル帳を渡し、
「この中から好きなの選んで」というやり方が多いようですね。

しかしながら、千種類以上もあるサンプルの中から、
その家にふさわしいものを選ぶのは至難のワザです。
私は、何点か良さそうなものをこちらで選んで、大きなサンプルをご用意してご提案しています。
照明器具も、そのようなご提案の仕方をしています。

正直、お客さんにすべてお任せして、家全体の雰囲気に合わないものを選ばれたら困る!
という設計者として気持ちもあり、ご提案したものの中から選んでもらえば、どれを選んでもよく映える、という自信を持って勧めています。もちろん、ご提案の中で気に入ったものがなければ、また、次回、選び直して再度提案しますので、無理強いをすることは決してありません。