木造の家造りと言えば、桧(ひのき)の家をイメージする人は多いと思
いますが、関西圏では高級な木材を使った家造りは栂(つが)を使った
家がイメージされる事が多いようです。

栂の分布は関東圏以南だった為かもしれませんが、関東圏では栂普請が
一般化する事は無かった様です。
ある時、ハウスメーカーの知人と話をしていた時に、家が上棟した時点
で建築主が現場に来られて、木肌の色に赤味が有る事が気になってしま
いクレームのような状態になった事が有ったと言うのです。

その時の木材は輸入材の栂材が多かった様ですが、今迄に木肌の色を言
われる事など無かったため驚いた出来事だったので、それ以降は他の建
築主にも事前に話をする事になったと言う事です。

話を聞いていて疑問だったのは壁の中に隠れて見えない材料の色がどう
して気になるのだろう?と思ったのです。材料の強度から考えると桧よ
り栂の方が強いですから家の安全性を言えば栂材は喜ばれるはずなので
すが逆の反応です。

「桧で造られた家は良い家だ」と長い歴史の中で言い伝えられて来た言
葉が影響したのかもしれません。
しかし、その言葉も地域によって変わってくるので人それぞれと言う事
でしょうか。