人間工学が戦後に紹介され現在では様々な分野で人間工学に基づいて
製品が作り出されています。ソファなどの輸入品を居間に置いて寛いで
いたかと思えばいつのまにかソファを背もたれにして床に直接座って
テレビを見ていたなどと言う笑い話が有るくらいです。
この場合などは座面と床面との高さが日本人の体格と合わないため腿の
後ろ側を圧迫して楽するつもりが返って疲れてしまったと言えます。
その人間工学から求められたキッチンの流し台の高さは今では殆どが
80〜85cmになり1cm刻みで高さを調節できる製品まであり、
体格によっては90センチにする事も有ります。
この高さを割り出すにために筋肉の活動度やエネルギーの代謝率や
酸素消費量などを測って一番少ない値から決められているのです。
決められる以前の流し台で炊事をされた方は判ると思いますが、現在の
高さでの作業は随分と楽になったのではないでしょうか、腰に負担が
掛からなくなったと思います。本来あるべき姿である使う人が基本に
なって物を作るという考えが浸透して来た事だと思います。