2011年 5月の記事一覧

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11年05月30日 09時00分00秒
Posted by: odada2
さて 設計屋が 建て主さんに提案する「鬼門」のルールですが 
1.家相については私の『家相吉凶図』を見て 一般的な考え方を理解した上で 「鬼門  を避けること」に集約させて「家相のことはクリアした」と自信を持ってください。  その他の事項は「そういう考え方もある」と思ってください。
2.鬼門を避けなければいけないものを 「神聖な結界」「不浄な行為をする場所」「外  部からの(厄災の)入り口」の3点に絞ります。
  「家相」では 「台所」「便所」「浴室」「洗面所」あるいは「玄関」と安易に室名  で記述されていますので そのままでは シビアな  プランニングはできません。
3.さらに 「不浄な行為」は便器のみ 「外部からの入り口」は玄関ドア(向きと開き  方向含む)と外の門扉のみ とピンポイントで  定義します。「神聖な結界」は   仏間・神棚(そういうものがあれば)です。
4.洗濯物・身体の汚れを落とすこと 肉・魚等生き物を捌くこと また 料理で生ごみ  を生じさせること 等は「不浄な行為」とは  考えません。履き出し窓・勝手口は  基本的に「外部への出口」であって「入り口」ではありません。
この提案 ご理解いただき 受け入れていただける方は多いです。もちろん 建て主さんの考え方優先ですので 相談しながら「鬼門」のルールを決めてゆきます。
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11年05月26日 09時00分00秒
Posted by: odada2
こちらは ありふれていない風景だと思いますが 近くの神社の宝物殿(?)です。
造ったひとに 話を聞いてみたいと思いませんか?
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コンテナが 無造作に石の上に置かれているのを見ると 屋根が最初から計画されていた
とは思えないので ここからは 勝手な(愉しい)想像ですが・・・。
収納の目的だけで 「いい考え」だと思われて置かれたコンテナが 耐久性の問題か
景観の問題か 「屋根をつけたほうが・・・」ということになって 話を持ち込まれた
大工さんが 「誰にも口を出させず」「納得できる」屋根を造ったら こうなったのでは
ないでしょうか(ちがうかな~)。
それにしても コンテナ部分を含めて 均整のとれた見事な姿ですよね。
尺・寸で磨いてきた精緻な屋根の割付を フィート規格のコンテナに合わせるのは 
相当な技量が必要ではなかったかと 想像できます。
余談ですが このコンテナ 若い(?)時は トラック・鉄道で華やかに日本全国を駆け
巡っていたのではないでしょうか。引退して 神社の宝物殿(?)として こんな屋根を
つけてもらい 日本で一番幸せなコンテナではないでしょうか。
11年05月23日 09時00分00秒
Posted by: odada2
三尺(さんじゃく)=91cmを基準にして プランを考えますが 91cmの半分45.5cmと1.5倍の136.5cmがよく出てきます。
建築士/現場監督/大工さん(以下まとめて「私たち」)の間では 45.5cm=「尺五寸」(しゃくごすん)136.5cm=「四尺五寸」(よんしゃくごすん)と呼んでいることが多いです。(1尺=10寸です) (「五寸釘」とか聞いたことありませんか?例のわら人形に使う釘ですが・・・) 
三尺の2倍=182cmは 一間(いっけん)と呼んで単位が変わります。(六尺とも言いますが)3倍=273cmは一間半(いっけんはん) 4倍=364cmは二間 寸法は よく出てくるこのあたりを押さえておいてください。
広さでいうと 一間半×一間半の部屋が4帖半 一間半×2間→6帖 二間×二間→8帖です。
あと 断面10.5cm×10.5cmの柱→三五角(さんごーかく) 12cm×12cmの柱→四寸角(よんすんかく)とか91cm×182cmの合板→三六(さぶろく)とか 覚えておくと 会話の中にこの単語が出てきた時 なんとなくうれしいです。
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11年05月19日 09時00分00秒
Posted by: odada2
漫画家 伊藤理佐さん ご存知ですか? 私は知りませんでしたが この本 愉快です。
過激なタイトル『やっちまったよ一戸建て!!』に目を奪われ 表紙の 伊藤さんらしき(危なそうな)女性が 「やっちまったよ!!」と叫んでいる後ろで 関係者と思われる
いい人たちが 拍手をしているイラストに惹かれ 「家を建てました」本では 初めて出会ったコミックに 「読んでみたい!」と思わされました。
結果ですが まさに「笑える!」「あきれる!」「よくわかる!」爆笑コミックでした。
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この表紙のイラスト いつか 建て主さんにお願いして実写版を作らせてもらおう(笑)
(乗ってくれる建て主さん いないかな?)
漫画の力(漫画家の力)ってすごい!文章で1ページくらい必要な 状況とか 建て主さんの思いとか かかわる人たちのリアクションとか 1コマで笑わせて表現できるのですね。『「家を建てる人」「私の他のマンガを読んだことのない人」は この本を参考にして家をけっして建ててはいけません』と伊藤理佐さん(笑)の注意書(笑)があります。
気をつけてください。
11年05月16日 09時00分00秒
Posted by: odada2
「鬼門」というものがあって それは 避けた方が良いということは お聞きになったことがあると思います。「鬼門」がどういうものなのかの話は いろいろ情報がありますので すみませんが そちらを調べていただくことにして 設計屋が どう考えているかを
お話しさせてください。建て主さんと 打合せの最初に 「鬼門は気にしますか?」と伺っています。
1.まず 「まったく気にしません」という方 いらっしゃいます。この意思を明確にし  ていただくと とても ありがたいです。
2.次に 鬼門だけでなく 家相で考えるという方も 居られます。こちらは 厳密なル  ールに合わせなければなりませんが
  プランにおいて「家相」が優先しますので 考え方は明確です。
3.やはり 多いのは 「プランを優先したいけれど 避けられるものなら・・・」 あ  るいは 「自分は気にしないけれど 両親が・・・」
  というような方ですね。この場合は 「鬼門については 十分検討した。問題は何も  ない!」と自信を持っていただくために  私と建て主さんとで 「鬼門」のルール  を きちんと決めて 相談しながら クリアしていきます。(ルールの作り方は
  次回)
「鬼門は 設備が整備されていない昔の話で 現代では不合理で意味がない」という話は しません。
建て主さんとのルールを決めるのに 長年使っている「家相吉凶図」です。かなり くたびれていますが この「家相吉凶図」で考えるというのが 建て主さんとの「鬼門ルール(1)」です。「家相」の考え方は 厳しいものもいろいろありますが この「家相吉凶図」は「暖かい」です。


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11年05月12日 09時00分00秒
Posted by: odada2
どこか歩いていて 心にかかる風景に出会うことがあります。神奈川県伊勢原市 田園風景の中を流れる小川に架けられた鉄筋コンクリートの橋です。『なかのはし』『昭和9年竣成』と打ち込まれています。こんなありふれたものでも 設計屋はしみじみ眺めてしまいます。昭和9年に こんな田舎(だったと思う)の小川に 鉄筋コンクリートで橋を架けるのは 普通のことではなかったと想像するのですが 造った人たちに会って その思いを聞いてみたいものです。
技術的にすでに確立していて設計は容易だったのか 設計した人にとってかなり勉強を必要とするものだったのか。川の真ん中にわざわざ橋脚があるのは どんな検討の結果なのだろう?とか。 もしかしたら 農業用水として 川と橋が 同時に造られたのかもしれないとか・・・。また 手すりと格子が 寸法の異なる形状で一体のコンクリートで
打ち込まれています。施工は大変だったでしょうが 壁にしてしまわなかったのは 特別な思いがあったような気がします。
造った人たちに会って 酒を飲みながら語り合いたいですね。
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余談ですが 橋の上で手を振っているのは うちの奥さんです。(無断掲載ですが・・)
11年05月09日 09時00分00秒
Posted by: odada2
これまた 木造住宅の図面/現場で戸惑うのが 寸法です。 在来木造に限らず 住宅は鉄骨/木質プレハブ・ツーバイフォーも91cmを基準にプランニングされて この91cmが 昔からの3尺(正確には90.9cm)だというのは ご存知だと思いますが 学校の勉強も 普段の生活も 建築設計もメートル単位でやってましたからいきなり 
昔ながらの「尺・寸」の世界には かなりオタオタしました。
でも これから 家の計画される方 「尺・寸」のイメージをつかんでください。「尺・寸」で話ができるようになるということではなく 設計士/現場監督さん/大工さんが つい「尺・寸」で話をしてしまった時 なんか 「置いていかれた」ようなさびしさを 味あわないですむように(笑) こちらも 建て主さんから「尺五寸」なんて言葉を聞くと うれしいものです。
メートル単位(正しくはミリ単位)で描かれた図面も 大工さんの頭の中では ( )内の尺・寸で この家を建てているわけです。
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ですから こういう上半分が「寸」単位 下半分が「cm」単位のメジャー(巻尺)を
使っています。
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11年05月05日 09時00分00秒
Posted by: odada2
一般に 地鎮祭と同時に 「地縄」で 建物の配置を確認していただきます。地面上に 配置図の通り 縄(ビニールテープですが)で計画建物の外形線を描いて 「ここが
玄関」「こちらがLDK」と 完成した家をイメージしていただきながら 玄関/アプローチの位置/敷地境界との距離/庭の広さ/隣家との関係等 いろいろ確認していただくわけです。(じつは 設計屋も 自分の描いた配置図に間違いがないことを確認して ホッとしています・・・顔には出しませんが)
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ここで いつも 建て主さんから 不安そうに聞かれるのが「これで8帖あるの?」と
いう 「部屋が小さく見える」疑問です。私も 現場監督さんと一緒に「地縄は小さく
感じるんですよね~」と プロの余裕を見せて笑っていますが じつは やっぱり
「8帖あるのかな?」と感じているのです。どうしてなのでしょうか いまだに
わかりません。
11年05月02日 09時00分00秒
Posted by: odada2
「地鎮祭はやった方がいいでしょうか?」と聞かれることがあります。私はやった方がいいと思います。
地鎮祭は「家が厄災も受けず 安全の滞りなく完成し お住まいになってからも 益々 繁栄しますように」土地の神様に祈り お守りいただくようお願いする儀式と 思われていますが(その通りなのですが・・・)私は 先輩から教えてもらった考え方が正しいのではないかと思って 地鎮祭に臨んでいます。
地鎮祭は 単に神様にご加護をお願いするのではなく 「家を計画通り完成させるために自分が全力を尽くすこと」を神様の前で誓い 「全力を尽くしますから 人の力の及ばないことには 力をお貸しください」と神様に祈り 完成するまで「全力を尽くしていること」を神様に見届けていただくようお願いする儀式 という考え方です。(おおげさなので人前では言いませんが)。戦国時代の武将が 出陣前に「鬼神の如き働きを とくと ご照覧あれ!」と神様に誓ったのと同じ?(だから おおげさだって・・) そんな気持ちを持っている(口には出さないけれど)人もいると思って地鎮祭 やってください。
この写真は 地鎮祭で「みんなで力を合わせてがんばるぞ!」と神様に誓っているイメージです。
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注 この写真は 実際の地鎮祭の時 建て主さん・神主さん・工事関係の方々に
  ご協力いただき イメージとして撮影させてもらったもので 普通は ここまで
  やりません(笑)。みなさん ありがとうございました。

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