2009年 10月の記事一覧

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09年10月25日 19時37分38秒
Posted by: truthroad
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当初の段階で、サイデングの傷みが酷い事から、
①完全張替えを行う
②軽い材料で上に被せて張る
③傷みの酷い部分のみの張替えとし、全面塗装の塗り替えを行う
の中での選択となりました。

金額的には①、②、③の順に下がってきます。
金額上は③が有利でしたが、同じ柄の外壁が無い事から
景観上の問題で、簡単に却下となり
②か①という事になりました。

今回の物件では、外壁下地や構造体の傷みも心配であり、
同時にシロアリの蟻道が基礎に二箇所見付かったため、
①の方向で行くことがベストであると施主に力説しました。

幸い、概算見積で、完全張替えでの金額が
当初予想していた金額より安かったため、
何とか①の方向性に決定する事が出来ました。

この決定が、実際に工事を進める段階で、
正解だったと確信出来、
施主の方からも、きちんと納得して頂け、
「本当に良かった」という気持ちになりました。

リフォームする主要な部分は1階の家族が使う
和室、台所、食堂の3部屋でしたので、
外壁の全面張替えということで、
内部のリフォームを行わない部分の
外周りの確認や耐震補強を行えるメリットがあり、
リフォーム語の診断上の評点も0.9程度に
向上出来る形となりました。
09年10月18日 19時09分52秒
Posted by: truthroad
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リフォーム計画では、きれいにしたり、使い易くする事は
当然大切な要素です。
しかし、使い易くするためには、場合によっては柱を抜いたり、
壁を撤去したりもします。
ですから、構造的な検討も重要なポイントとなりますし、
構造的な弱点の改善も大切な要素と考えます。

それ故に、計画の段階では、必ず耐震診断を行います。
今回の物件(リフォーム「完成しました」)でも、
それを行いました。
資料となる図面は、平面図、立面図程度で、その情報から、診断を行いました。
当然、確認の出来ない事項は不利な形での設定とします。

今回の物件では、平面図にスジカイの位置は明示されていましたが、
そのスジカイの部材寸法の記述がなく、
最初はある程度の仮定での計算となりました。

もちろん、床下にもぐっての調査も行い、
基礎位置の確認もしました。
ここで発覚したのが、スジカイが入っている壁の下に、
有るだろうと考えていた基礎が無い部分が
何箇所かあるという事でした。
写真のように、簡単な独立基礎でその土台を受けていました!

それらの条件を盛り込んでの耐震診断の結果は、
評点で0.6程度(1.0以上必要)でした。
これを元に、リフォーム計画の段階で、
2通りの耐震補強の計画を行い、
全体予算や工事範囲との兼ね合いを合わせて、
打ち合わせを進めました。
09年10月11日 20時00分59秒
Posted by: truthroad
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新潟市内に建つI邸は、コンペにより設計をさせて頂いた住宅です。

写真は南面で、敷地が小高い傾斜地の先端となっていて、
遮るものがない形で日差しが差し込み、
大屋根の2階部分の窓からは、
眼下に町並みや遠い山並みまでも眺められ、
将に立地条件が素晴らしい敷地です。

木組みの家とはいえ、断熱性能の面、
そして構造の面で、壁面全体を耐力壁用のボード張りとし、
あえて骨組みは見せずに、外部は構造体を包み隠す形としています。

唯一、木組みの構造であることを示しているのが、
所々に見える外壁の仕上げ面より飛び出している構造材の先端部分です。

外部の仕上げは、
写真で一番多く見えているのが檜の下見板張りで、
ポイントにはシラスの塗り壁(掻き落し)仕上げとしています。
その他の部分は、オーソドックスな防火サイデング張りです。

窓には必要な所は霧除け(庇)を付けたり、
1階中央には土縁屋根を付け、
伝統的な日本家屋の基本を大切にしてデザインしています。
09年10月04日 12時32分29秒
Posted by: truthroad
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仕事を行う時、それは具体的には「お金」に置き換えられます。
家というものを考えると、
その価格を総額や「坪単価」ということで表したりします。
細かい部分では、この外壁は材料と張り手間あわせていくらになる
という形で、平米単価で表したりします。

ところが、同じ材料を使ったとしても、
その職人、職人で、仕上がりの状態が違ってしまいます。
大工さんの仕事も、和風の仕事では、
その技量が細かい部分にはっきりと現れます。

同様に、とても良く分かるのが左官仕事です。
今ではタイルを張るという仕事は非常に少なくなりましたが、
同じタイルを張る仕事でも、その職人さんの技量で、
私たちプロの目でみると、物凄い「差」が出ることを経験します。
タイルも、張り易いように台紙に張ってあるものを使うのが一般的ですが、
それでも、張り上がりには「差」が出ます。
又、洗い出しという仕上げも、「差」が出る仕上げです。

その「差」が、職人の技量の差です。
どの職人がどんな仕事をするのか、その技量を良く理解して
やらせるのであれば良いのですが、
仕事をこなす事が優先になると、その技量を配慮しない形となる事もある訳です。

例えば、非常に単価の低い現場での仕事であっても、
技量のある職人は、文句無く素晴らしい仕上がりとしてしまいます。
反対に、いくら単価の良い仕事であっても、
技量の低い職人の仕事は、その技量以上の仕上がりとはならないのです。

職人の手を通して作るものは、そういう部分が確実にあるのです。
もちろん、仕事をする職人は、常に全力を尽くします。
それが職人というものです。
それでも、その人それぞれの技量の違いは確実にあるのです。
09年10月01日 20時26分03秒
Posted by: truthroad
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写真は厨房スペースから、
前回紹介しました食堂スペースを見たものです。

厨房と食堂の仕切りは、前回書かせていただいたように
杉の無垢材の建具ですが、
全4枚の引き戸となっていて、
片側1枚の固定した戸の脇に他の3枚の建具が引き込まれ、
建具3枚分の開口となります。
雰囲気的には二室が「一つながり」という感じとなります。

ここは以前は7帖半のスペースでしたが、
45cmの奥行きの天井までの収納を、一間幅で設け、
出入り口の位置も、以前より45cm部屋側に移動させ、
若干ですが、出入り口が面する廊下の狭さを緩和させています。

収納の扉も、框は杉の無垢材で、
戸板面は和紙を張っています。
出入り口のドアも杉材で、
厨房との仕切りの引き戸のデザインに合わせています。
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