建築物が建つ条件は一般的には地面が必要となります。地面が平坦なら
条件は良くなります。ですから土地を分譲している所などは地面を平ら
にして、雛壇上に造成して販売する方法が取られている訳です。では
山はどうして山で有るのか考えた事が有りますか?どうして山が崩れて
こないのだろうか?「考えると夜も眠れなくなっちゃう。」などと言う
ギャグが昔有りましたが、知っているようで知らない事のようです。
土と言うのは粒子が集まっている物です。その証拠に土を乾燥させると
さらさらな粒子になります。その粒子が角張っている物であれば粒子同
士がぶつかって互いに抵抗して積み上げる事が出来ますが、角が取れて
いる場合はそうはなりません。砂などはその良い例です。粘土質の土は
より抵抗が大きいので高く積み上がることができる訳です。
そのような粒子状の物が崩れる事が無くて安定した状態が保たれている
場合の水平線と斜面との角度を「安息角(あんそくかく)」と言って、
その土地の地質によって割り出されています。関東地方の関東ローム層
では以前は45度と言われていましたが、より安全性を考えての事か最
近は30度で考えるように、という指導が行政庁から出される事が多い
です。山が崩れた状態は、安定していた斜面に水などが多く含まれてこ
の土の抵抗が少なくなる為にこの安息角が変化した状態です。ですから
その土地の安息角は一定では無いと言う事です。