どこか歩いていて 心にかかる風景に出会うことがあります。神奈川県伊勢原市 田園風景の中を流れる小川に架けられた鉄筋コンクリートの橋です。『なかのはし』『昭和9年竣成』と打ち込まれています。こんなありふれたものでも 設計屋はしみじみ眺めてしまいます。昭和9年に こんな田舎(だったと思う)の小川に 鉄筋コンクリートで橋を架けるのは 普通のことではなかったと想像するのですが 造った人たちに会って その思いを聞いてみたいものです。
技術的にすでに確立していて設計は容易だったのか 設計した人にとってかなり勉強を必要とするものだったのか。川の真ん中にわざわざ橋脚があるのは どんな検討の結果なのだろう?とか。 もしかしたら 農業用水として 川と橋が 同時に造られたのかもしれないとか・・・。また 手すりと格子が 寸法の異なる形状で一体のコンクリートで
打ち込まれています。施工は大変だったでしょうが 壁にしてしまわなかったのは 特別な思いがあったような気がします。
造った人たちに会って 酒を飲みながら語り合いたいですね。
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余談ですが 橋の上で手を振っているのは うちの奥さんです。(無断掲載ですが・・)