学生時代にテントを担ぎ金沢・能登方面に行ったことがある。それは磐越西線から信越本線への列車の旅だったが、あの時も遠かった。あれから30数年、たとえ高速道路になろうとも、変わらずやはり遠い。しかも今回は金沢を通りその先の京都・奈良まで。

 磐越自動車道で新潟へ。まだ旅の序の口、ドライブ気分。22:05新潟から北陸自動車道に入る。この辺までは我テリトリーと言っても良い、隣の県だ。しかし長岡ジャンクションを過ぎると未知の世界にはいる。そこから先は車で乗り入れたことがない。

 この周辺は雪国。11月末で降雪の可能性もあると判断、出発直前に冬タイヤに交換、万全の状態としている。しかし行きの夜中ドライブは霧雨の高速道だった。

 それにしても新潟は長い。行けども行けども新潟県。このままでは天竺まで行くのではないかとの妄想にとらわれる。しかも富山県境付近のトンネルの連続はすごい。世界遺産級だ。工事の大変さが偲ばれる。トンネル通過中に、万里の長城が頭をよぎった。そしてトンネルの壁に故田中角栄氏の影が見えた気がした。後で調べるとトンネルは26または27箇所の連続だそうだ。

 その26・7のトンネルを抜けると富山県。夜ではあるが、急に視界が広がる。街の夜景が美しい。

 富山を通ることを楽しみにしていた。好物の鱒寿司があるからだ。24:15有磯海サービスエリアで休憩とする。夕食から5時間近く過ぎているため、少々小腹も空いている。
 さすが日本海のサービスエリア。海の幸が満載。夜中とはいえ福島市周辺では味わえない雰囲気だ。少し多めに鱒寿司を購入、デザートにみかんとした。一部を食し、残りを朝食分とした。
24:30有磯海サービスエリア出発。

 今まで眠気覚ましガムは利かないと思っていたが、連続で噛んでいると効果があるようだ。まったく眠くない。
 
 石川県をひたすら走り、福井県南条サービスエリアに着いたのは26:30だった。
ここまで来れば、あと200kmと判断、2時間ほど仮眠をとることにした。あまり早くついても困る。ちなみに我愛車には当然ナビはついてない。

 座席を倒し横になる。しかし寝れない。連れはアッという間に熟睡。繊細なせいなのか、運転の興奮か、それともガムの効果なのかを考えているとアッという間に2時間。結局30分程度しか寝れなかった。それでも4:25出発する。

 長浜を過ぎ名神道に入る。京都での今日一日のためにガソリンを入れることにし、滋賀県の多賀サービスエリアに立ち寄る。トイレを目指すと、コインシャワーがあった。北陸道にはコインシャワーがないことは調べていたのだが、まさかここにあるとは。天の助け。10分シャワーで200円。初めての経験であった。
お陰でガソリン満タンとなり、朝食も済まし、さっぱりとした気分で京都に入ることができた。

 京都東インター着 7:10。京都は快晴で迎えてくれた。 ここまでいろいろあったが、まだ旅は始まったばかりだ。

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