エコハウスの真実 21 μ値から冷房費を算出しよう

昨日までのシリーズ2回では熱損失係数Q値から暖房費を算出
する方法を解説しました。

熱損失係数Q値は住環境性能を知る指針となり、数値の違い
がおおよそ暖房費の大小に直結することがわかりましたね。

現在建設されている普通の住宅のQ値は4.0程度、私が最近
設計している住宅のQ値は2.0程度です。4.0→2.0へQ値を
高めると、最新のエアコンで全館暖房した場合63000円程度、
部分間欠暖房した場合で25000円程度年間暖房費が下がります。

暖房費だけでなく、心地よさが格段に上がる事を忘れてはいけません。
では熱損失係数を0に近づければよいのか?
というと冷房費とイニシャルコストのバランスが大切です。Q値を
高めると夏の室内熱が逃げにくくなり冷房費が上がります。

目指す空間、窓の形状、快適性、イニシャルコストとランニングコスト
などのバランスを考えて設計していくことが大切なのです。

さて、今日も前置きが長くなってしまいました、μ値から冷房費を
算出してみましょう。
●まず最初にμ値から住宅に侵入する日射熱量を計算します
侵入日射熱量=μ値×床面積m2×夏季の平均水平面日射量MJ/m2日

次世代省エネ基準の東京の指標は0.07、東京の平均水平面日射量は
14.76MJ/m2日です。延べ床面積120m2としましょう。
侵入日射熱量=0.07×120×14.76=124MJ/日
侵入日射熱量に内部発熱量43MJ/日を加えると167MJ/日
2カ月冷房すると
167×60日間=10020MJ

では最新式エアコンでの冷房費を計算しましょう。
10020MJ÷3.6MJ/kWh×23円/kWh÷3=21339円
前回のブログを呼んでくれた方は3で割る意味が分かりますよね。
10年前くらいの古いエアコンは効率が悪いので2で割ります。

2カ月間全館連続冷房で21339円と計算できました。部分間欠冷房の
場合は2.5で割る感じなので8536円となります。

暖房費と比べて随分金額が低いですね。冷房は暖房と比べて内外温度差
が小さく、稼働期間が約半分なので金額が低いのです。
冷房費削減で一番大切なのは日射遮蔽です。まずば窓から入る日射を
徹底的に遮ることで冷房費を抑えることができます。

次回以降のシリーズでは、開口部(窓)と通風による効果について考え
ていきます。冷房つながりですね。ではお楽しみに。

■エコハウスの真実
1.住まいは夏を旨とすべし? 1
2.住まいは夏を旨とすべし? 2
3.ハウスメーカーの取り組み
4.ハウスメーカーの取り組み 追記
5.設計事務所の省エネ住宅1
6.設計事務所の省エネ住宅 2
7.設計事務所の省エネ住宅 3
8.設計事務所の省エネ住宅 4
9.工務店のエコハウス
10.空気は熱を運ばない
11.気密が必要な理由 1
12・気密が必要な理由 2
13.気密が必要な理由 3
14.気密が必要な理由 4
15.気密が必要な理由 補足
16.吹抜けに適した冷暖房機
17.冷暖房費を知るには
18.Q値とμ値って何?
19.Q値から暖房費を算出する 1
20.Q値から暖房費を算出する 2
21.μ値から冷房費を算出する

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