2012年 4月の記事一覧

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12年04月14日 10時05分40秒
Posted by: macchan
シアトル図書館121.jpg
今回は、シアトル中央図書館の内部にある、
まったく違った空間をお見せしましょう。
Living Roomと呼ばれる1階吹抜の
オープンなホール兼開放書庫の閲覧室。
その中央から2階に上がるエレベータに乗ると、
そこは、イエローな世界が延々と・・・。

通常の2層分を登っていくため、
この黄色いトンネルは、
ある種の高揚感を生み出す不思議な空間。
その側面からは、バックヤードが垣間見えたり、
映像を使ったインスタレーションが施されて、
一種の展示空間にもなっています。

こうしたプラスティック的な素材には、
安っぽさが伴うのものですが、
それが上手く回避されております。

シアトル図書館131.jpg
次は、1階のLiving Roomから地下へ降りる階段が
黒い壁の前にさりげなくあります。
手前のスチール製縦格子のシンプルな手摺に
隠された、そこへ一足を踏み入れると
何と、レッドな世界が・・・。

黒い壁の下には、成形プラスチックで
一体的に創られたような
自由曲線のうねる真っ赤な階段と天井。
そして地下の赤い通路へと続く世界は、
まさしく異次元の空間。
シアトル図書館141.jpg
これまでの開放的で、光溢れる空間から、
いきなり投げ込まれたそこは、
精神性・内面性を揺さぶられ、これまた別の高揚感。

図書館という落ち着きのある場とは
まったく異なる空間を用意しているここには
良い意味での裏切りがあります。
最後の写真は、3階の通り抜け通路。
右側に開放的なホール、
通路はやはりレッドな世界。

その間を仕切っているのは、
折半と呼ばれる凹凸型のスチールに
細かい穴を空けたパンチングメタル。
写真では、結構な透過性に見えますが、
実際には、霞がかった壁に見えるため、
ホールから、このレッドな世界を感じることはできません。
シアトル図書館151.jpg

機能や合理主義だけで建築の空間は生まれるものではない
とモダニズム建築を批判したのは有名な建築家、
ロバート・ヴェンチューリの建築の多様性と対立性。
思わず、それを思い出させてくれました。
さすが、レム・クールハース。

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12年04月11日 07時32分13秒
Posted by: macchan
菱形ガラスに覆われたシアトル中央図書館。
その菱形故に、複雑なボリュームをしておりますが、
その外観は、そのまま内部に現れております。
くびれたところの内部は、
ご覧のような閲覧室の一角となり、
手摺越しに下を覗くと
通りの賑わいを眺めることに。
普段では、なかなか味わえない空間が、
本を読みながら体感できます。

シアトル図書館81.jpg

上部の黒い天井は、鉄骨の構造を現しにして、
その上から黒い耐火被覆材を吹き付けているため、
全面ガラスのコントラストから、
吸い込まれるような闇が強調され、
こちらも、なかなか魅力的。

シアトル図書館91.jpg

通りの様子は、この写真。
名物のトロリーバスが見えておりますが、
もし、雨の日であったならば、
このガラスを流れる雨粒が、
まったく違った魅力を演出するであろう
ことが想像できますね。

しかし、見れば見るほど複雑な形態。
その骨組みの構成自体は、さほどではありませんが、
施工時の苦労を思わずにはいられません。
また、ガラスは熱線反射ガラスとなっていますが、
一部には、ドット状のフィルムが貼ってあり、
曇りガラス的な処理がおこなわれている箇所もあります。

シアトル図書館101.jpg

さて、こうなると最上階はどうなっているのだろう、
という興味が湧いてきますね。
当然、ガラスというわけにはいきませんが、
断熱材を布で覆って、ピン留めしたかのような、
柔らかい天井で覆われております。
そして、このピンの部分が筒状になっていて、
照明器具やスピーカー、
監視カメラにスプリンクラーにと共用されていて、
全体の柔らかさを邪魔していません。
複雑な形が、細部まで破綻していない納まりに脱帽です。
シアトル図書館111.jpg

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12年04月10日 07時44分11秒
Posted by: macchan
シアトル図書館41.jpg
シアトルの中心部は、海側に向かって
かなりの傾斜を持った街となっています。
サンフランシスコの坂道と電車は有名ですが、
シアトルにも、同様の坂道と
電車の代わりのトロリーバスが有名です。

中央図書館が位置するのはそんな中心部、
周囲を高層ビルに囲まれた一角です。
このため建物の入り口が反対側では、
1.5層分の高低差があります。
菱形ガラスを裏から支えている菱形のスチール材が
スカートのように建物周囲に降りてきて、
菱形の影を落とすフレーム、
その一部に小さく穴を空けたように、
くり抜かれた部分がエントランスが上側の入り口。
シアトル図書館51.jpg

そのいかにも小さいエントランスをくぐると
そこには、5層にもおよぶ斜めのガラスに覆われた
開架書庫のあるLivinng Roomと呼ばれる
ホール兼休憩室兼閲覧室が目に飛び込んできます。

ここには、小さなcafeもあり、
本当に自由に人々が出入りをして、
色々なスペースで、くつろいでいます。
図書館という既成のイメージはどこにもありません。
上の写真の左側がそのエントランスで
そこにあるボックス型の書庫は、
閉店時には、それぞれが移動して一つの箱となります。

その手前にあるエスカレータは黄色。
さらに、下へむかって段上の客席のあるセミナー室がみえます。
その右手には、開架書庫とソファ・テーブル席、
床の至る所には、植物のアップの写真が、
床に転写されているのが面白い。
シアトル図書館61.jpg

この奥から入り口側を見たのがこの写真。
不整形のガラスの箱を4段重ねにした形態のため、
内部からの見る角度によって、
空間の繋がりが微妙に変化するのが特徴です。
また、上階にある閲覧室から
別の通り側の吹抜を眺めるたのが、下の写真。
シアトル図書館71.jpg

ここでは、面白いインスタレーションが体験できます。
開架書庫の脇の床面には、
グリーンの写真を床に転写しているのですが、
そのガラス越しの外部には、
実際の植栽帯があり、
内部と外部、虚と実がガラスを通して
写し絵のように展開して、
中にいても、外の菱形スクリーン内を歩いていても、
不思議な視界を体感することができます。

実際に、外部の植栽帯脇を
人が歩いているのが見えますが、
ちょっと不思議に見えませんか?
この建物には、まだまだユニークな空間が存在します。

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12年04月08日 14時13分45秒
Posted by: macchan
シアトル市の中心街に出現した、
全面が菱形ガラスで覆われた大胆なガラス建築。
これは、レム・クールハース設計の
シアトル中央図書館ですが、
これも、Leedの基準に沿って建設され、
シルバー認定を受けています。

シアトル図書館31.jpg
<ガラス屋根の閲覧室>

スタッフの説明によりますと、
この図書館の建て替えに当たっては、
3ヶ月に渡って、図書館関係者と設計者が
世界中の優れた図書館を調査し、
何が優れているか或いは図書館のあるべき姿等を
議論してきたとのことです。

その中で、建築自体の環境対策はもちろんのこと、
そこで働く人々やそれを利用する人々にとっての
ソーシャルサスティナビリティ(社会的な持続性)の
重要性がテーマとなってきたようです。

シアトル図書館11.jpg
<図書の返却カウンターとエアシューター>

そこには、職員同士や利用者のコミュニケーション、
図書の蔵書整理や貸し出しシステムに
積極的なネットワークシステムが導入されています。
無線チップによる図書監理や配送システム、
各職員がワイヤレスネットワーク端末を携帯し、
連絡応答やGPS位置確認、
利用者の質問や疑問に、適所で職員が対応できるシステムなど、
様々なネットワークを介在して、
人と人が情報を共有できるシステム。

こうしたことで、時間的節約や年々増え続ける蔵書管理に
いち早く、対応できているわけですね。
建築的に見ても、広々と開放的な閲覧室や
リビングルームと名付けられた1階の
オープンスペースなど、見せ場が一杯です。

ここは滞在中、視察で訪れた以外に、
シアトル在住の中国人友人とも訪れましたので、
次回から、豊富な写真を基に、
そのディテールをご紹介いたします。

シアトル図書館21.jpg
<蔵書書庫(全床がスロープ)>

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