2012年 1月の記事一覧

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12年01月30日 19時03分24秒
Posted by: macchan
実際にLeed(リード)が実践されているシアトル市内の
King Street Center Buildingを見学。
写真1:King Street Center Building
KingStreetCenter11.jpg
この建物、実はLeedが実践される前に完成し、
その後に審査を経て、選定されております。

ということは、既に環境への配慮を
前提として建てられていたわけです。
この建物は、官民共同プロジェクト。

民間で建設をおこない、King Countyが20年リースをおこない、
その後買い取られるという形態となっております。
延べ30,000m2に1500人を収容、
また、500台の駐車場がある。

オフィスの他に、1階にはショップが入る。
以前に建っていた旧建物の解体に際しては、
その80%をリサイクルしている。
外観は、再生レンガとガラスカーテンウォールによる
新旧を取り合わせたデザインが印象的です。
2~7階のエレベータホール及び廊下の
共有部分には、リサイクルペンキやガラス再生タイル、
コーク工場の廃材を再生したカーペットタイルは、
タイル状のため、一部の張り替えが可能で
メンテナンスがし易くなっています。
写真2:リサイクルガラスタイル
KingStreetCenter31.jpg
さらに、雨水を回収して中水として、
便所や手洗いとして再利用するシステム。
電気や冷暖房をセンサーによって制御し、
不要な箇所はOFFにするなど、
建築のみに限らず、電気、設備に渡る取り組みにより
年間の燃料使用量が220万ガロンから140万ガロンへ
37%削減されているとのことです。
写真3:中水システムの機械室
KingStreetCenter41.jpg
総工事費は32.5万ドルと同等のビルよりは
割高になっているそうですが、
やはり、こうした環境への取り組み姿勢を
公的機関としてアピールすることが重要なのだそうです。
写真4:各階オフィスにあるリサイクル回収ポスト
KingStreetCenter51.jpg
また、シアトルでは公共建築の建設費の1%を
美術的デザインや美術品購入にあてて、
工芸技術の伝承に寄与するという実践もなされていて
ゲート、壁画、置物や照明といった
美術的、職人的な加工品が
建築と一体となってデザインされていまます。
写真5:鋳鉄製のメインゲート/1%美術費の一貫
KingStreetCenter21.jpg
単に効率だけを追求しただけの建築ではない
取り組みもおこなわれていて、
こうして視点の広さは、日本にはない取り組みですね。

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12年01月23日 12時03分18秒
Posted by: macchan
さて、Leed(リード)、Built Green(ビルト・グリーン)
この2本柱の環境に配慮した建築プログラムの概要ですが、
それぞれ6/5つのカテゴリーに分けられています。

※Leed(リード)のカテゴリー:公共建築
1.Sustainable Site/サスティナブルな土地
2.Water Efficiency/水効率
3.Energy Atmosphere/エネルギーと環境
4.Materials and Resources/資材と資源
5.Indoor Environmental Quality/室内環境の質
6.Innovation and Accredited Professional/新企画とデザインプロセス

※Built Green(ビルト・グリーン)のカテゴリー:住宅系及び地域開発
1.Site & Water/土地と水
2.Energy Efficiency/エネルギー効率
3.Health and indoor Air Quality/健康な室内空気の質
4.Materials Efficiency/資材の効率性
5.Promotion of Sustainable Home Ownership/住宅オーナーの維持管理

写真1:群庁舎内のリサイクルポスト
1リサイクル1.jpg
このような取り組みの根底には、
限られた天然資源の最小限の使用と
効率的かつ循環可能な使用、
つまり持続可能な(Sustainable)システムとして
考えていくということにあります。
それぞれの項目は、さらに詳細な評価ポイントに区分され、
その総合ポイントによって認定されます。
リードの場合には、シルバー、ゴールド、プラチナという
認定ラベルが授与されます。

写真2:ビルの雨水を中水(便所/洗面用)活用
2雨水利用1.jpg
これに対するメリットは税制面であったり、
何よりも、環境に対する配慮をしている企業であることの認知により、
顧客や消費者から良いイメージを持たれて、
企業間競争にも有利に働くというメリットがあるとのことです。
また、この2つの活動はいずれも各業界団体や協会が
自主的な基準作りをおこないながら、
それを全米基準として確立できるように、
州政府や自治体レベルでも取り組んでいるところが興味深いのです。
National Association of Home Buildersの通称ナーブ/NAHB
のシステムが、Built Green(ビルト・グリーン)
U.S.Green Building Councilの通称USBC
のシステムが、Leed(リード)
Leadership in Energy and Environmental Design
と呼ばれています。

写真3:コンドミニアム屋上の緑化とコンポスト
3コンポスト1.jpg
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12年01月04日 09時26分22秒
Posted by: macchan
以前連載していた企業コラムの掘り起こし企画。
米国での建築周辺での環境対策、
Leed(リード)、Built Green(ビルト・グリーン)という
2本柱の環境に配慮した建築プログラムと
それに基づいて実践された建築やまちづくりの
実例を解説しながら、ご紹介したいと思います。

但しこれは、もう5年前の2006年6月に米国大使館と
在大阪・神戸米国領事館商務部の主催で企画された
シアトルへの視察旅行でのレポートです。
写真1:
キングカウンティビル/King County Administration Building
1キングカウンティビル1.jpg
まず、最初に米国の環境対策について
疑問をお持ちの方も多いかと思います。
実際、京都議定書から離脱した米国
という印象が一般的ではないかと思います。

当時、私自身もどの程度の試みがおこなわれているのかは、
はなはだ疑問ではありました。
しかし、現地を視察してみて、
その対策の先進性には大いに驚かされました。

米国では連邦政府と州政府では、その方向性はまったく別物、
つまり、京都議定書から離脱をしているのは、
あくまでも政府レベルの話であり、
州政府や郡、市レベルでは、5年前でも
全米で225以上の都市が京都議定書に沿った形での
環境プログラムを作成し、実践しているのです。

写真2:
シアトル公共図書館/Seattle Public Library
2州立図書館1.jpg
その2本柱がLeed(リード)Built Green(ビルト・グリーン)。
Leed(リード)は、州政府レベルの建物
つまり、公共建築に科せられるプログラムであり、
Built Green(ビルト・グリーン)は、民間レベルの
住宅、リフォーム、集合住宅、地域開発に科せられます。

そして、その実践してる都市の中でも
ワシントン州シアトルが、もっとも進んでいるといわれていて、
全米の都市からの見学者が絶えないと言います。
そんな2006年当時の概要をご紹介いたします。

写真3:
住宅地開発/High Point Development
3ハイポイント1.jpg

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