母屋棟/ログハウス、管理棟・浴室棟/在来木造
バンガロー棟/鉄骨架台+在来木造。
異なる構造体が混在する施設群をどのように再生するか。
また、どのような仕上げ材を考えるべきか。

最初に番組側と議論をしたのは、やはりバンガロー棟。
これを再生するには、あのボロボロの基礎と鉄骨を
補修するのは不可能なので、
もう一度造り直すと膨大な費用が掛かるし、
ゆくゆく、また現状のような状況になってしまう。

ここは、思い切ってすべて解体・撤去して、
上部の木造躯体を転用する案が採用されました。

浴室棟についても、現況のような男女別々の案もありましたが、
やはり、今後のメンテナンスを考え、
コンパクトに1つにまとめて、大きめの浴槽でゆったりと。
浴室棟がすべて白蟻被害で躯体が駄目だったですが、
バンガロー棟と浴室棟の間口が同じだったため、
基礎をそのままに、構造躯体の転用する案は、
比較的すんなりと考え出すことができました。

さて、その他の施設をリフォームする上で考えたのが、
構造・仕上げの統一性と省力化。
やはり離島でおこなうのには、繰り返しと施工性。
それには、私が静岡でよく使っている
国産材3層クロスパネル・Jパネルの使用を考えました。

この構造パネルの生産工場は、静岡・鳥取・徳島の3箇所。
今回は、リフォームの部位が多岐に渡り、
パネル寸法が適宜微妙に違ってくるため、
その調整と打ち合わせを綿密にできる静岡の丸天星工業さんに
ご協力をお願いしました。
また、家具用Jパネル厚30の在庫が豊富なのも助かりました。
http://marutenboshi.com/

今回使用したJパネルは同社が開発した進化バージョンの
JPウォールという耐力壁で、受け材を必要とせず、
木製ダボ接合とビス斜め締めのシンプルなもので、
施工が容易で、強固な構造を創り出し、
その両面を即仕上げ壁として表現でるの特徴です。
http://marutenboshi.com/jpwall.html

このJパネルを4寸角の柱の間に落とし込む、
落とし壁工法は、粘り強い構造として、
建築家の間でも、広く認知されています。

平屋の管理棟ではありますが、現行の構造強度に合わせるため、
この耐力壁で補強しつつ、そのまま仕上げ壁として、
内装工事を不要にしています。



母屋棟はログハウス。
この構造は安易に壁を撤去できないので、
既に開口部の部分の腰壁を撤去して、
食堂の地窓を追加して、明るさや海への視界を広げ、
新たな厨房では、同じく既存窓の巾ごと
部屋を北側に910mm増築。
崖に近い北側ですので、ここは基礎を造らずに
キャンティレバー(片持ち)で室内を延長しましたが、
この部分の床、壁、屋根は同じくJパネルで構成した
モノコック構造となっています。

棟屋部分については、一番気を使った部分。
下のログハウス構造には、集成梁とポスト柱を追加して
上部の見晴らしデッキの追加荷重に対処し、
棟屋自体もJパネルとDボルトの強固な構造として
母屋の構造と一体化しています。







このJパネル落とし壁工法で設計した私の住まい実例です。

・国吉田物語建設プロセス
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201312/article_2.html

・池田山物語建設プロセス
http://atelier-m-architects.at.webry.info/201404/article_2.html

・『木香の家』モデルハウス
広島・呉の大之木ダイモ 商品企画住宅
http://daimo.jp/kinoie/modelhouse/4960/

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 ・・・どうも、ありがとうございました。

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