この国では人件費が最も高い、と言われながら、これとは逆に人件費のかかっていないものほど高いものがある。
そう、建材です。

「床はきれいじゃなくていいです。普通の杉とか桧の床で」。「う~ん」。
「あっ、あの、壁も高くない物で普通に塗り壁とかでいいんですけどぉ・・・」。「う~ん」。
「あっ、あの、その、屋根も何か新しいのじゃなくて、普通に瓦でいいんですけどぉ・・・」。「・・」。

そりゃそうだ。普通に考えるなら工場生産品であるボードやフローリング、外壁材などといった建材よりも、そこら辺に転がっている普通のなどのほうが、安いと思うはずである。
 日本はおかしくなってしまった。
昔の建築は他に材料が無かったから、普通に何処にでもある石とか土とか木を工夫して建材としていたのだが、今ではそれが人件費と設備費をふんだんに使った工場生産品よりも、「高級」な建材となってしまったのである。
 このことは日本だけではないのだが、他の国と比較すると最も「工業技術」に長けた我が国の建築が、何故か最も馬鹿っぽい人が住んでる建築に思えてならない。

まさき設計

この記事のタグ ≫