悲しくも、スクラップと化したPH付S造3階建の店舗&住宅は
設計事務所を立ち上げて間もない時期に計画しクライアントの
切なる願いに答えるべく、直営要素を加味した分離発注方式に
より施工された、手造り感の強い作品である。

竣工後何年かしてバブル景気の波が押し寄せ、私鉄阪急沿線の駅
に近く便利な立地条件も手伝い、ディベロッパーによる分譲
マンション用地の一部として高値で買い取られ、僅か15年程で
幕を閉じ更地となりました。

オーナーとの出会いから17年後再び W造2階建在来工法による
親子二世帯住宅の設計依頼を受け、出来上がった作品の冷たい反応点は
二階で騒ぐ孫の足音が気になる防音性能の悪さであった。
確かに、長い付き合いで、すまい履歴もよく知る小生が、何故.....
S造とW造の特性について、生活様式もまじえて、わかり易く
説明できなかったのか、自問する長い一日であった。
null