うずまきキャットステップの家は完成しました。

この家はご主人が主導となって多くのご要望をされ、

ここに至りました。


ことの始まりは「北欧のログハウスをコルビュジェのサボワ邸のように

宙に浮かしたい。」との難題でした。

通常ログハウスを指向する建て主は

間違っても私のところに相談にいらっしゃるという事はありません。

ログハウスはまったく違う世界の

「あれはあれ」という私の中での位置づけがあり

おそらくは一生縁のないものと、

それまでは思っていたのでした。


敷地を見て主階を宙に浮かしたいという

ご要望の理由がわかりました。

道よりも敷地が低くなっていたからです。

そうしなければならない理由がありました。


ところで奥様からのご要望はほとんどない代わりに

愛猫のロン君が「遊べる家」にしてほしいとのこと。

私も猫三匹と暮らしていますから猫の気持ちはわかります。

でもロン君は夜9時半になると決まって就寝するという、

なんかちょっと違う猫のようです。


敷地への表流水を受け流すためにこの建物の北側の壁は

シリンダー状にデザインされています。

その室内側の壁に沿って、

ロン君がひょんぴょんと上がって遊んだり外を眺めたりするように、

ステップを考えました。

うずまきキャットステップです。


これは、造作するのに大変な苦労がありました。

一般に大工はじめ職人は使う人をイメージしながら、

丹精込めて造作するわけです。

「建て主が喜んでくれた。」というのが何よりのご褒美です。

でもこれについては猫ですから

こんなに苦労してるんだけどほんとに喜んでくれるんだろうな?

何度も私に聞いたものでした。


完成して建て主が一言「主役が来てみないとわからないな・・・・・・・」

えっ?この家の主役はロン君だったのか。null