山スキー好きの私が何度となく訪れた新潟の山に
妙高山があります。典型的な複式型火山です。
古い地図を見ると中山とあります。
そして、名香山とある地図もあります。
最近の地図では妙高山です。
名が転じていったのがわかります。
身近なところでは、小淵沢はこぶし沢、
軽井沢は軽石沢、蓼科は立て科(樹の名前)など
地名や山の名への興味は尽きません。

さて、八ケ岳のずっと南、甲府盆地の北端しに
双葉と名の付くところがあります。
私が八ケ岳南麓に移住してから、冬風について
調べていたところ、八ケ岳おろしという風が
甲州にはあるのを知りました。
八ケ岳方向から息をつく間もなく吹き続ける風、
石も吹き飛ばすといわれる風、
双葉にはこの風が吹きます。

この風を利用して戦前より飛行訓練場があり、
今でも日本航空学園の真っ白なグライダーが
大空を滑ります。訓練機といえば複翼型、
それで地名も双葉、そう想像できます。

この風が発生する訳は?
下の絵で示すようにそのわけは明解です。
南北に長い八ケ岳連峰の東は、狭い谷で
段丘にもなっていて北風が吹き抜けます。
西は、釜無川、中央本線などが通るやはり谷です。
諏訪口とよばれる冬風が吹き抜けます。

この二つの風が双葉の辺りで合体したのが
「八ケ岳おろし」なのです。
この風、一度吹かれてみてください。
すごいです。