2010年 3月の記事一覧

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10年03月30日 07時07分00秒
Posted by: hemlock
ひとが「気持ちよい!」と思う感覚は、

その根拠を探っていくと

かなり理にかなっている事が多いものです。


土地探しにおいてはまず、

この「気持ちよい!」という直感を大切にします。

そして、そのように思った理由を

ひとつひとつ自己分析してみましょう。

景色が良い、魅力的な樹がある、地面がじくじくしていない、

風が良いにおいがする・・・・・。

天気の良い日にします。

その土地の一番良いところが見えるからです。


そのうえで、その近隣で長く暮らしている方々から、

話を聞いてみましょう。

良い事ばかりでなく、

むしろ困った事や苦労している事が重要です。


また、その土地がかってどのように使われていたのか

土地という商品になる前はなんだったのか、

そうした履歴を知る事も重要です。


もうひとつ。

周辺の家の傷み方をよく観察しましょう。

どこがどう傷んでいるのか?

その場の特性がよく読み取れる事があります.
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10年03月23日 07時08分00秒
Posted by: hemlock
八ヶ岳南麓の生活はすばらしいものです。

ことに季節の変わり目は生命を実感し、

その美しさに目を見張ります。

この環境に私たちが居を築こうとする事は

まさに自らがこの自然の一部になろうとする、

そんな意識が必要だと思います。


広大な南斜面である南麓は1日の日照時間が長く、

また風光明媚です。

北からの冬風の通り道からもはずれ

冬も過ごしやすく、夏は乾燥して涼しいのです。


快適であったのはなにも現代人だけではなかったようです。

縄文人の遺跡も数多く見つかる事からも、

遥か昔からここには人の歴史があるようです。


さて、土地を求め、

私たちはここで何でも好きなものを建ててよい、

という事ではありません。

建築基準法のことを言っているのではありません。

土地に立って耳を済ませましょう。

目を凝らしてみましょう。

自然の様々なささやき、

たくさんの動植物のうごめきが見えてきます。

そして、おのずとその場にふさわしいかたち、

暮らしが見えてくるはずです。


ひとつひとつの家はエリア全体の中で連続したものであり、

自然の流れの一部であるべきです。

人を含めた他生物が命を謳歌する環境は、

そのように結果として造られます。null
10年03月20日 07時08分00秒
Posted by: hemlock
「ゆうたくん。

ただいましたら すぐに 手あらいね!」

みえお母さんがやさしくしつけ。


エントランスシンクは建て主の奥様(みえちゃん)の発案だ。

まるで昨今の新型インフルエンザ大流行を

予言していたような

この「エントランスシンク」の要望。


スペースをやりくりして

さりげなくエントランスの片隅に。null
10年03月17日 07時01分00秒
Posted by: hemlock
森林住宅にとって

ウッドデッキはもう一つのリビングルームだ。

デッキを快適にするには緑陰樹が不可欠だ。

どんな樹種を植えたら良いのだろうか?


いくら夏日が暑いからといって

デッキどころか家までもいずれ被ってしまうケヤキや、

実が落ちてデッキを汚してしまう

ザイフリボクやサクラも

NGだ。

色々試して、

いつも若葉色のツリバナ

葉のディテールがかわいくやさしいアカソロ、

この2種がおすすめだ。


さて、室内との連携を良くし、

建物外部エレメントと緑陰樹のつくる

デッキ空間は、

いったいどれだけの広さが適当なのか?

雨ざらしだから消耗品のデッキ。

都会的感覚で考えてはいけない。

大きなテーブル。

バーべキューコンロにサイドテーブル。

7~8人がパーティーできなくてはならない。


4.55m×4.55mが経験的な

快適広さだ。null
10年03月11日 07時08分00秒
Posted by: hemlock
シカが年々増え続けている。

古くからこのあたりで農業をする方々にとって

そして、庭造り命の方々にとって

大公害であるという。


シカたちは夜ともなれば群れとなって

暗闇を縦横無人に闊歩、飛び跳ね回る。

ネットを張ろうが、

フェンスに電流を流そうが

なにをやったって・・・・・・

無駄。

農作物、球根、若い樹の樹皮、新芽全て食べつくす。

狼や野犬を駆逐した人間が招いた事だ。


さて、「地面好きの家」の庭もご覧のとおり。

シカ除けの冬の養生は徹底している。

春が来ればシカたちは山奥に帰る。

そして、この小さな家も完成する。null
10年03月07日 15時54分46秒
Posted by: hemlock
鉄骨階段はゆれる。

鉄骨階段は角におでこをぶつけそうで怖い。

でもその優美さは他の材質、工法では表現できない。


ストックホルムのアスプルンドの図書館を見てきた建て主は

鉄骨の回り階段の採用を希望した。

本間至先生直伝のデザインを実践してみた。

今まで何度となくつくってきたが

今回の完成度は高い。

各部の材の太さ、厚みは原寸検討を繰り返して決めた。

重厚なRC打ち話の壁、天井と

繊細で、動きのある鉄骨階段のコントラストが美しい。

完成が楽しみ。null
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