まちづくりやむらづくりとは通常、

各都を結ぶ街道すじを軸に発展し

宿場町や地場産業の拠点となって

小単位が連続する。

こうした主流のまち形成とまったく脈絡なく

存在する集落が日本には多くある。

主に中世以来からある隠れ里のことだ。


多くは急峻な谷筋をつめて唐突に存在したり、

冬期-20度を下回るような極寒の山間だったりする。

それは、平家の落人部落であったり

兵士や軍馬のための軍事機密上の部落であったりした。


そうした集落もご他聞にもれず

ほとんどが限界集落だ。

祖先の墓を守る長男、またはその家族のみが

細々と家を受け継ぐ。

性質上、歴史の裏の事であり価値や意義が研究不足で

スポットライトが当てられないのは残念な事だ。


そのような隠れ里、信玄の時代から連綿と受け継がれた

古い集落の入り口にあたる旧家の改築の設計を依頼された。

屋敷は大きいnullが老朽化が進み手の施しようがない。

昭和初期まで盛んだった養蚕のための造りだ。

残念ながら壊す以外に方法はなさそうだ。

この集落にふさわしいデザインコードを抽出し構築したい。