ゆったりとした垂れ桜の道程、
ゆるやかにカーブしたトンネル、
繊細なケーブルで吊られた斜張橋。
下界から抜け出す仕掛けの向こうに
やっと姿を現す桃源郷・ミホミュージアム。
http://www.miho.or.jp/architecture/approach/

しかし、行き着いた建物の外観は、
従来の威容を誇るような美術館外観とは違って、
入母屋のガラス屋根に被われたエントランスホール、
この部分以外にほとんど見ることができません。

ここは、森林保安林や自然公園法第三種という
建築的制約が、もっとも厳しい地域なので、
建物の約8割が、山の中に埋め込まれています。

とっても、斜面側には信楽の特徴的な
重層する尾根の雄大な景色が、大きく建物に取り込まれています。

ミュージアムという展示物保管の観点からは、
湿気は大敵。8割が埋め込まれた美術館、
収蔵物は大丈夫だろうか?と
建築関係者には気になるところ。

そこには、ペイ独特の解決策が用意されていました。
建物と山とは斜めの擁壁によって
切り分けられることが一般的ですが、
ここでは、底版巾が極端に少ない直擁壁と
グランドアンカーいう前例の土木工事をおこなっています。
さらに、建物とこの擁壁の間を
ドライエリアという空間を設けることで、
山側からの湿気をシャットアウト・・・、
見えないところで、想像を絶する施工が為されています。

さらにその擁壁を覆うようにして、工事で掘削した山を
再現して、木々を植えて従前の景観に戻すという念の入れよう。

そのエントランスホールに入ると・・・・、
スペースフレームで支えられたガラス屋根全体から
溢れる出す柔らかい光が降り注ぎ、
来館者を包み込みます。

その基本形は三角形で構成されています。
この種の空間フレームは、ボールジョインと呼ばれる
球体からプレートが延びたジョイント部で構成されますが、
ここではそのボール状部分が腕プレートと同化して、
非常にスッキリとした納まりになっています。
これはすごいディテールで、
とにかく精緻な施工精度が要求されるので、
並の施工技量ではとても対応が困難納まりです。
http://www.miho.or.jp/episode/

ガラスの手前には、木製ルーバーがはめ込まれていますが、
これは金属フレームに木製調のフィルムを張っています。
ただしこのフィルムには凹凸が施されて、
まるで本物の木製フレームのようです。

エントランスホールには、手の届く部分ところまで
ルーバーが降りてきていますので、
是非、触ってみてください・笑


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