今年は僕も五十代二年目ということで、建築に対する接し方といいますか、基本的な身の処し方のようなものを考える一年にしたいと考えております。

 これまで取り組んできた「住まい」を通して建築と対話する、というと大袈裟ですが、少しずつですが自分も建築について深く、より身近に感じることが出来るようになってきたように思います。
以前は頭の中に完成形は見えているものの、図面からいきなり実際の建築物が建ちあがってきていたような感覚から、近頃はその間に例えば「手で触ってみて考える」ような手順が加わってきたように思います。

 それは具体的に何かと言いますと、これまで頭の中で理解し、あるいは認識していた事柄 -材料の種類や仕上げなど- について、当たり前のことですが出来るだけ実際に実物を見、触れ、臭いも嗅ぐ、などの人間的な所作のことです。時には「あれ、カバ桜は案外いい色してるな」とか、新しい発見があったりもするのです。
 この部分を怠ると完成した住まいを見たとき、「ちょっと違うかも・・」といったような疑念が湧く場合があるのですね。
仕様書どおり形も寸法も桧なら桧、杉なら杉でも、使う部位によってはそこに「見合う」かどうかはほんの少しですが「出来映え」に影響を及ぼします。

 ここら辺りはいわゆるその住まいの「品格」のような部分で、醸し出る気配といいますか、人間の視覚と言うより感覚で接する部分であり、人によってはその「違い」にまったく気付かないかもしれないような領域です。

長くなってしまいましたが、今年は自分自身も含めてこの「品格」を求める一年にしたいと思います。
皆様には幸多き一年となりますよう、ご祈念申し上げまして、年頭の挨拶といたします。

本年もどうかよろしくお願い申し上げます。

                                                   
       二○○八年                                   まさき設計

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