2010年 3月の記事一覧

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10年03月27日 14時16分19秒
Posted by: atl3c
家を建てるとき(規模によっては増築する時も)、その建物が建築基準法に適合しているかどうか、
『建築確認申請』というものが義務付けられています。

私がこの仕事を始めた20年前は、申請書はB5版1枚だけでした(他に図面1~2枚)。
それが今では、申請書だけでも7~8枚。
図面の他にも、何とかの証明書だの、カタログのコピーだの、とにかく書類の山。

環境問題がこれだけ叫ばれている中、ホント紙資源の無駄。
前原国交省大臣は、近いうち、こうした確認業務の簡素化をする、と言っていますが・・・。

完了検査には、実際に図面どおり、法律どおり建物ができているか、役所の人が現場に見に来ます↓

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完了検査も以前は無料でしたが・・今では申請料より高いので頭が痛いですね・・
(さらに値上げの方向らしい)
これを民間の検査会社に頼むと、もっともっと高いし(5倍くらい)。

当然のことながら・・?!問題なし。翌日には完了検査済書が下り、無事引越しOKです。

昨年末には建築士法が改正され、完了検査を受けていない設計事務所は摘発!されるそうです。


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10年03月21日 10時12分18秒
Posted by: atl3c

ここ2日で、塗装職人の心意気に触れる出来事がありましたのでご紹介します。

窓の枠や家具、ドアなど、塗装は最後の仕上げ。
塗装職人の腕の良し悪しがその出来栄えを決めます。
それまで大工さんがどんなに丁寧で良い仕事をしてくれていても、
塗装の腕が悪いと、最後にがっかり・・・ということになりかねません。

日本の消費者は均一な仕事が大好きで、ちょっとした色ムラなどにもクレームになりがち。
木の目を均一に印刷(!)した、シート貼の既製品の扉が大流行しているのもうなづけます。
これでしたら、消費者も安心?!工務店も塗装のクレームが無くなるし、施工は簡単だし・・ラクチン。
これが、高度成長期以降の日本の住宅の現場です・・。

しかしながら、設計者としては、木が本来持っている不均一な木目を生かして仕上げたい。
しかしながら、素材の特徴を生かして上手に仕上げるのは、職人さんの腕しだい・・という面もあり・・
本当なら、設計者おかかえの腕の良い塗装職人を、毎回現場に投入すれば良いのでしょうが・・
そこまでの予算のある現場はまず無いし・・。
初めて組む工務店には、とにかく塗る前の下地の調整を念入りに!とお願いするしかありません。

塗装当日は現場に立ち会えず、翌日確認に出かけたA現場では・・
絶句。あり得ない!!状況が・・・
下地がボソボソの状態で、そのまま塗ったものですから・・まったくひどい状態。
現場監督を呼び出し、怒り心頭!!です。

現場監督もさることながら、これを塗った塗装職人の意識を疑いますね。
職人としてのプライドというか、心意気はないの!?よくこんな恥ずかしい仕事を平気でするもんだ。
でも、こんな職人さんを育ててしまったのも、結局我々消費者が均一なシート貼の方を好み、
塗装職人さんの仕事を激減させてしまったからなんです・・・現場の数が少なければ、職人は育ちません。

そして翌日出かけたB現場。スーパーの会議室を保育室にコンバージョンした現場です↓

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手前子供用手洗い(黄緑色の部分)の左奥が受付の作業デスク。
このカウンターの塗装で、塗装職人さんから嬉しいアドバイスをもらいました。

ここの現場は、本当に小さな工事でしたので、知り合いの塗装職人を直接投入。
塗装前のカウンターはかなり表面がざらついていましたが、いつもの職人さんなので安心して依頼。

塗装後すぐに電話があり、
『塗装が乾くと表面にまたざらつき感が上がってくるで、上から軽くペーパーをかけたい』とのこと。
それだけのためにまた来ていただくのも悪いし(一日人工の手間賃しかお支払いしていないので)、
設計者みずからその作業やりましょうと申し出て、仕上げのコツを教わりました。

紙ヤスリの裏!で、軽くこするとのこと↓

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『なーるほど!!』 表のヤスリ面でこすったら、傷がついてしまいます。
ヤスリの裏面には紙が張ってありまして、ヤスリの凸凹が少し感じられる程度。
このほのかな?凸凹で表面を滑らかにする、というわけです。

うーん、見違えるような手触りになりました。
途中、その職人さんから何度も電話が入り、『どうか・・?』と心配そう。
設計者でうまくできなかったら、現場に来てもらう約束でしたから。
でも大丈夫。バッチリな仕上がりとなりました。

自分が関った現場の仕上がりに最後まで責任を持つ、そんな職人さん、大事にしたいですね。

10年03月12日 13時29分16秒
Posted by: atl3c
近所のドラックストアが閉店↓

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壊されちゃうのかな~、また廃棄物が増えて嫌だな~と思っていたところ・・・

何と、認可保育園に変身!!
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建物の『コンバージョン』とは、リフォームや改装と言った狭範囲なものではなく、
用途まで変更する大規模な改修(確認申請が必要になります)のこと。
一般のビルがホテルにコンバージョンなどという話も時々聞きますね。

ドラックストアは中ががらんどうですからね!用途変更するには最適物件。よしよし。

待機児童が減らず、保育園の必要性が叫ばれていますが、
保育園って、子どもたちが走り回れるただ大きな部屋があればそれで足りるんです。
あと、トイレとキッチンがあればそれでOK。すごく簡単なんですよ。
だから、コンバージョンで作りやすい。

この不景気の時代、私の町でも店舗が次々に閉鎖されています。
こんな空き店舗を利用すれば、保育室なんてどこでも作れちゃう。

保育室にコンバージョンした建物には、固定資産税を優遇する!などの対策を打てば
きっと、必要なところに必要な保育室、増えると思うんですけど。
政治家のみなさんは、そんな発想を持っているでしょうか。
多額の税金を投入しなくても、打てる手はいくらもあるよ、と。

建築に携る者として、現在あるものを生かす知恵、発揮したいものです。


n<a href="http://archive.mag2.com/0001028341/index.html"></a>ull本日はメールマガジン発信日です。テーマ『建築コストの話』
10年03月05日 10時08分38秒
Posted by: atl3c

現在、現場監理中の喫茶店併用住宅の工事内部の様子です ↓

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1階喫茶店、手前キッチンカウンターからお店入り口を見たところ。
壁の筋交いや断熱材が見えますね。天井、壁の下地(石膏ボード)を張り始めたところです。
この時期が一番、内部がごちゃごちゃとして狭く苦しく感じられます。

ここにお客さまをお連れすると、
『え?ウチってこんなに狭いの?』とたいていおっしゃいますね。

でも大丈夫。人間の視覚情報とは恐ろしいもので、
壁天井が仕上がり、すっきりとすると、今度は広く感じられるんです。

外壁はほぼ張り終わっていますが、まだ足場と養生シートがかかっているので
その全貌はまだ姿を現していません。はやく、シート取れないかな~、楽しみ。

今月末の完成をめざし、ただ今、突貫工事中です。

本日は alt=""title=""メールマガジン配信日です。
テーマ『子どもと暮らす家 その3』


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